「無駄な努力を0%にして、成果を100%にする方法!」という帯にひかれて、つい手に取ってしまった本です。
その頃は、仕事がとにかく忙しかったんです。
それでも完璧を目指して仕事をし、「努力は報われる」を合言葉に毎日全力で頑張っていました。
日本人にはありがちですよね…。
それが、自分の首をしめていたのかイライラ度がピークになっていました。
でもこの本には、至るところに「頑張らない」というフレーズが出てきます。
「そんなに頑張り過ぎなくていいよ。力を抜いてやり方を変えれば自ずと成果がついてくるよ」と、優しく語りかけてくれます。
本では、
1.エフォートレスな精神
2.エフォートレスな行動
3.エフォートレスのしくみ化
と3つのステップにわけて、やるべきことをわかりやすく説明しています。
その中で、特に印象に残ったところをご紹介しましょう
感謝の心でネガティブ感情を手放す
「感謝の心」と「エフォートレスな思考」とは、一見関係ないように思えますよね。
でも、他者に感謝すればするほどポジティブな気持ちになり視野が広がります。
そして、視野が広がると新しいアイデアがどんどん浮かび、困難な仕事を簡単にするやり方が見えてくるというもの。
うーん、感謝かー。
家のことをしてくれる妻がいる。。。改めて感謝すべき対象に目が向きました。
どうやら、感謝の気持ちがエフォートレスな精神の土台になるようです。
「ゴミ」から始める
衝撃的な言葉ですが、ゴミから始める気軽さで「最初の一歩は身軽に踏み出そう」と言う意味です。
確かに完璧を目指そうとすると、怖くてなかなか前に進めませんよね。
「失敗してゴミを作ってもいいと開き直れば、とにかく始めることができ、それが成果につながる」とあります。
昔、趣味でフランス語教室に通っていた時、失敗が怖いあまり予習のやりすぎで疲れ果て、早々に退会したことがあります。
失敗してもいいと力を抜いて勉強していれば、今ごろは留学?まで上達してたかも?とついつい妄想してしまいました。
考えすぎて動けなかった自分に少し後悔です。
勝手に回る「しくみ」をつくる
本の後半では、てこの原理のように、小さな努力で大きな成果を一生味わえるしくみについて書かれています。
簡単に説明すると、やり方さえ身に付ければ、ひとつの努力からエフォートレスな成果を繰り返し引き出すことが可能になる、ということです。
たとえば、自分の得意分野を見つけ出し、自分だけの知識を身に付ければ、それが評判になり人やチャンスを引き付ける。
作業を自動化して、何もしなくてもまわるしくみをつくる。
最初に信頼できる人を雇えば何百回でも成果を出してくれる…などなどです。
でも実際、一生ものの知識を身に付けたり、タスクを自動化したり、信頼できる人を見抜くのは難しいですよね。
「努力をしないで」という文字に飛びついたのですが、それなりの成果を上げるには、一番最初の努力こそ相当必要だとわかりました。
勝手にまわるしくみはそう簡単には作れない、というのが読み終わった率直な感想です。
でも、無駄な努力がいかに不要なのかが理解できただけでも大きな収穫です。
まとめ
とにかく「努力をしたくない人」には、少し物足らない内容かもしれません。
全く努力なくして、成果は得られませんものね。
その反面、毎日頑張り過ぎてヘトヘトになっている人には、「もっと楽してもいいよ」「別の道もあるよ」と新しい生き方を見つけるヒントになるでしょう。
人生で迷ったら難しい道を選べと書かれた本も多いですが、この本では、よりシンプルで簡単な道を選べる、そのやり方を教えてくれるんだなと思いました。
東大クイズ王の学生のように、若いうちに自分の得意分野を極めていればなあ~と、今更ながら後悔しますが、今から頑張っても遅くないでしょうか。
著者も男性でいかにも「ビジネス書」的なイメージがありますが、主婦の方にも一度読んでもらいたい本です。