福岡県が実施している「福祉のまちづくり」とグラフィックデザインの関連性

福岡県は「食の宝庫」として知られており、ご当地グルメやブランド果物が有名です。特に博多・天神エリアでは餃子やラーメン、もつ鍋などのB級ご当地グルメが観光客に人気を博しています。観光需要が高まる福岡県では、福岡在住の住民だけでなく外部から訪れた人々にとっても過ごしやすいまちづくりに力を入れています。本記事では、福岡県にみられる福祉とグラフィックデザインの結びつきについて解説させていただきます。

福祉とデザインの結びつきについて

近年、少子高齢化による人口減少・住民の高齢化問題が加速的に進んでいます。こうした社会背景の変化はまちづくりに大きな影響を与え、社会福祉施設のサービスや地域福祉を担う拠点としての役割が重視されるようになりました。人々が暮らしやすい社会のためにまちづくりプロジェクトを一新する自治体も増加しており、環境の見直しがおこなわれるようになっています。一見グラフィックデザインと福祉に結びつきはないように思えるでしょう。しかし、デザインが環境を作り、環境が地域福祉を作り上げることを忘れてはなりません。福岡県に限らずどの地域でもデザインは重視されるべきポイントなのです。次の項目では、福岡県のグラフィックデザインに関連するまちづくりについてご紹介します。

福岡県福祉のまちづくり条例に見るグラフィックデザイン

福岡県は独自の施策として福祉のまちづくり条例を定めており、高齢者・障がい者を含む住民が快適に過ごせるまちづくりに積極的な姿勢を見せています。福岡県が定めた『まちづくり施設』に当てはまる公共施設はまちづくり条例に記載された通りに建築物を完成させなければなりません。一例として視覚障がい者用床材の使用義務が挙げられます。視覚障がい者用床材とは床タイルや点字ブロックを指します。特に床タイルは点字ブロックのように突起物がないため、足裏に伝わる柔らかい感触によって視覚障がい者をスムーズに誘導可能です。床タイルを活用することによって車椅子ユーザーが点字ブロック上を通りにくい問題も解決するため、非常に優れたグラフィックデザインの例と言えるでしょう。

福岡県ではデザインに配慮したまちづくりが実施されています

グラフィックデザインは発達障がいを持つ人物の理解を手助けする要素にもなります。たとえばパンフレット冊子に書かれた内容が理解しにくいものだった場合、デザイナーはイラストやグラフを用いてわかりやすく視覚効果を実現させます。文字ばかりでは伝わりにくい内容でも、グラフィックデザインを工夫すれば情報をすぐに理解可能です。福岡県庁の公式ホームページはユニバーサルデザインに関する取り組みについても記載しているため、デザインに配慮した福岡県のまちづくり施策について詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。